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創業の志

人生一回だ。 たった一回の人生を終わる時に人生を振り返った時に後悔のない人生を送ろう。

創業まで

創業者 代表取締役会長 鈴木英一2020年6月
創業者 代表取締役会長
鈴木英一

 鈴木英一は1943年(昭和18)に生を受けました。時は第二次世界大戦の開戦から2年後の事でした。父は農家の次男として貧しい農家を営み、家庭を持ち子供3人を育てました。おりしも日本は資源のない国で世界の大国であるイギリスとアメリカに敵対して大きな世界大戦に巻き込まれました。父は男4人兄弟で、弟2人は既に戦場に駆り出されておりました。戦況が悪化する中、28歳になる父に召集令状が来ました。私が生まれて1年後の事でした。父は戦場に送り出される直前に終戦を迎えました。

 父は、戦後の貧しい生活の中から私を学校に通わせてくれました。その甲斐があり、私は自分の好きな電気の勉強が出来ました。おりしも日本は高度経済成長期でしたので、成長花形産業であるテレビ局に入社出来ました。しかし、3年おりましたが、東京での生活は私の性に合わず、キャノンカメラに転職し、製造業を学ぶ事となりました。

 28歳になり、このまま年を取り私の人生もこれで決まりかと思うと何か物足りなさを感じ、無謀にも独立の考えが頭をよぎりました。「人生一回だ。たった一回の人生を終わる時に人生を振り返った時に後悔のない人生を送ろう」と考えて、無謀にも30歳の夏に会社を辞め、自営業を始めたのです。

 親が事業をしていたのではありませんし、妻は大反対でした。何故なら、彼女生まれた街の中に下請け企業がありましたが皆生活が苦しいのを見ていやだなとの思いがあったのでしょう。独立して、これからが驚きと苦悩の始まりでした。始めてしまってから後悔はありませんでしたが、実にドラマの始まりでした。頭の良い人は、先まで良く考えて、冒険的な仕事や、創業の苦労が多いので始めから独立などしないのです。家族の賛成のないまま創業したのはいいが、何をどうやれば良いのか判らない本当に心細い日々が始まりました。

創業から企業家としての歩み(30~40歳)

 創業時は私業であり企業ではありませんでした。企業家としての意識は事業としてある程度成長し、新卒を採ったころに意識しました。人生を私に掛ける人が来た、その責任感が生まれ、単なる自己の生活の為に従業員を使役するだけでは有能な人材は居つくはずがない、と考えました。企業とは何だろう?経営とはどうすれば良いのか?経営に関する本を読み漁りヒントや強い意識が芽生え始めました。そして、経営者としてのドラマが鮮明に頭に浮かび、自分も出来る、やってみよう!と内なる心が燃えたのを感じました。

 まず考えたのが仲間となる従業員の人生と生活の責任を如何に担うか?でした。社員の生活と生き甲斐に責任を持つこと。経営の基本的姿勢である経営理念が必要と考えて創りました。

「自社商品」言うは易し、実行は難し(40~50歳)

 世の中は、日本の高成長期が終わり、長期停滞期に入りました。経営は主に依頼生産的な仕事が主で、仕事は何とか安定していましたが、将来展望は描けませんでした。そこで我々には独自の商品が必要だと思いました。「自社商品」を開発し売ることで、新しい世界が見え、将来が開けるのではないかと思ったのです。

 自分なりにいろいろ考えて、自社商品を模索しました。しかし、挑戦するも、全てがお粗末なものばかりでした。今思うと、自分で何が自社の特徴なのか解からない状態でしたし、世の中が何を求めているのかも理解できていない状態でした。あれやこれやと模索し開発したとしても売れるものは出来上がるわけがありません。

 モノづくり自体も大変難しい仕事だと感じていましたが、世の中に無いモノを創造し開発する事も大変な事だと知らされました。その後、開発したモノを販売し資金を回収するのは更に全く違った世界であることを知り、これらを纏めて行くのは至難の業である事を痛感させられました。自社商品を開発するぞ!と云う事は簡単ですが、それで商売をすることはとても難しいことです。“井の中の蛙大海を知らず”とは正にわたくしの事だと思いました。

保有技術の棚卸

 苦悩する中で、自社商品を開発するために、ベテルが保有する技術・技能の棚卸をしました。

  • 組み立て・・・製造に関する標準化・品質管理・生産管理・人材活用
  • 精密工作機・・・MCマシンニング・NC放電機・精密研磨機・3次元測定器・他
  • 精密射出成形機・・・130t・100t・50t・30t・15t
  • 熱計測技術・・・熱物性測定技術・最先端熱計測・熱分析ソリューションの提案力、
            低温(-30℃)~常温~高温域(500℃)の計測提案・開発力
  • 設計・・・CAD・3次元ソフト
  • 精密金型設計技術・・・商品開発技術
  • 顧客との商品開発提案力・・・商品開発技術提案力・品質管理・コスト低減力
  • 営業力・・・国内市場・海外市場(欧州・アメリカ・中国他)

 棚卸から見えて来たものは、モノづくりを中心に、市場のニーズに対応できる、弊社の独自の技術力と営業力でした。地道に付加価値のある物を探求し、商品化を行えば、競合他社に勝つ商品が生み出せる、と確信しました。

将来に対する想い

 常に時代の一歩先を行く技術開発を進める事が何よりも大切と考えます。

  • 計測技術・・・電子工学・光学・分析・技術を深堀する。
  • 医療技術・・・日本や欧米は成熟社会の中で少子高齢化が益々進むので、先取り技術で商品化をさらに進める。

 この2点がベテルが重点的に磨く技術と考えます。そしてそれらを生かした医療介護(オーラル・ヘルスケア)、熱計測・熱分析ソリューション事業を事業の大きな柱に育てることが、今後のベテルの戦略となります。

 この地で売上30億円、経常利益3億円、を目指し、自社商品(技術)比率60%以上を、計測器・医療・電子機器で達成するのを目指したいと考えております。

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