社長挨拶
ベテルは今年(2023年)、創立50周年を迎えます。この節目の年を無事に迎えられたことに心から感謝しています。
ベテルは、50年前に小さな会社としてスタートしましたが、今では多くの人々の生活に欠かせない存在となっていると自負しています。私たちは製品やサービスの品質にこだわり、お客様のニーズに応えるために常に努力し、社員一人ひとりが自己実現を果たせる環境を整えてきました。これまでの50年間、お客様や関係者の皆様からたくさんの支えを受け、多くの挑戦をし、都度困難を乗り越えてきました。
しかし、今後も変わらずにお客様のニーズに応え、よりよい製品やサービスを提供するためには、常に努力を重ねていかなければなりません。
そのための取り組みとして、『ベテル・ボーン・アゲイン・プログラム(B-BAP)』を進めて参ります。
ベテル・ボーン・アゲイン・プログラム(B-BAP)
すべての従業員が、ベテルの一員であることを誇りに思うために
すべての組織は衰退します。会社の寿命は30年と言われています。ベテルは今年で創立50周年になります。いま、ベテルは2度目の死に向かっている。。。と言えます。組織は以下の要因によって形成され、運営されています。誕生期から全盛期、完熟期から死に至るまで、その時期ごとにそれぞれの要因の影響力の大きさが異なります。
- エネルギー要因(E)
- プログラム要因(P)
- 組織の管理力の要因(A)
- 人間関係・包括性の要因(I)
誕生期は創立者の起業精神(E)によって会社が突き動かされ、青年期に向かって、事業モデル(P)が確立され、そこに、管理力(A)と人材(I)が加わり企業としての全盛期となります。その後、衰退局面に入ると、起業精神は薄れ、一部の従業員は自分の仕事やポジションを守るために貴族化し、組織全体が決められたルールを守るために仕事をする官僚政治期へと移行し、やがて企業としての「死」が訪れます。「死」とは「絶望」です。死んでしまえばもう次はありません。
ベテルの現在位置はどこでしょうか?
アルファベットの大文字は影響力が大きく、小文字は小さい、という意味です。
企業の寿命が30年とすると、創立50年のベテルは既に一度目の生涯を終え、再生され、2度目の全盛期と成熟期を超え、今は2度目の死に向かって進んでいる、と言えます。49年前に芽を出したベテルという木は、50年の時を経て幹が太くなり、枝を伸ばし、葉が生い茂り実を結んでいます。しかし、このままベテルは2度目の死を乗り越え、再生し3度目の命を得られるのでしょうか? それともそのまま死を迎えてしまうのでしょうか? 我々は今その生と死の境目を歩んでいます。
「ボーン・アゲイン(Born Again)」とは直訳すると「生まれ変わる」という意味です。今、ベテルは、2度目の「死」を前に、生まれ変わることが求められています。
上述したように「ボーン・アゲイン」とは「生まれ変わる」という意味なのですが、それの本当の意味は、「一度死んで、再び生まれる」という意味です。つまり、30年後の2050年もベテルが存在し続けるためには、一度死に、そして生まれ変わることが求められている、という事です。つまり、我々がこれまでやってきたことを一度捨て、新たに作り直すことが求められているのです。
そのために、次のような内容を複数年に渡り、全社重点課題に落とし込んで実施します。
1.人材育成
ベテルの未来を背負っていくのはそこで働く「従業員」です。経営者はその先頭に立つものですが、経営者とそれを支える幹部と管理者が一つになって事業を背負っていかなくてはなりません。B-BAPの第一の課題は人材育成です。会社が生まれ変わるためには、その根幹を担う経営者、幹部、管理者達がまず生まれ変わらなければなりません。
- 幹部候補の育成
- 管理者の育成
- DX人材の育成
当然ながら、事業を行う上ではこれら以外の職務についている方の存在もとても大切です。しかし、ベテルが「死」という絶望を乗り越えるためには、まずこれらの人材が無くてはならないと考えています。
2.ビジネスモデル改革
これまでベテルはモノを作ってそれを売って売上を上げてきました。これからもベテルはモノづくり企業として続けていきたいと考えていますが、今後は、モノづくりだけでなく、補完プロダクトや補完サービスも手掛けていなくては、次の30年も存在し続けることはできません。そのためにも、ビジネスモデルの改革が必要であり、次の項目に注力していきます。
- 単なるモノづくり企業からの脱却。
- 下請けからの脱却(営業利益でOEMとODM&オリジナル技術事業を逆転する)
- イノベーションを起こす! 世の中の価値観や仕事の方法をひっくり返すような商品、サービスを提供する。
これらを実現し、高付加価値、高労働生産性の事業に変革します。
3.業務改革
より効率の良い業務、より付加価値の高い事業が求められます。DXなどの技術を用い、以下の項目を重点的に改善していきます。
- 原価の見える化
- 顧客情報の見える化
- 社内情報の見える化
- 業務(在庫状況、生産状況、出荷状況、ボトルネックなど)の見える化
- 顧客満足度の向上
- 従業員満足度の向上
- ポカミスの撲滅
ベテルは組織としての「死」を乗り越え、次の30年にも、元気ある企業となるために、B-BAPを通して、活力のある組織を作っていきます。
最後に、私たちの50年間の歴史を支え、これからの未来を担うお客様、関係者の皆様、そして社員一人ひとりに心から感謝を申し上げます。引き続き、ベテルの成長と発展にご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2023年3月
代表取締役社長 鈴木潤一